Vol.9 品川区で競馬三昧

 6月16日の午後3時すぎ、編集部で作業をしていると机の上の携帯が鳴りました。表示は、海原メディア会のN先輩。

 

  「今、大崎。どう?」

 

 非勤務日の月曜。たまたま何をするにも便利な会社にいただけで、本来なら絶好のタイミング。喜んで飲みに行くべきところでしたが、この日は4時から来客。夜も予定が入っていました。

 

 「すいません、時間がないので……。せっかくですから、会社を見て行ってください」 

 

 日刊競馬の大崎本社(東京都品川区大崎1-10-1)はJR大崎駅から徒歩3分。南改札口で待つN先輩をお迎えして、弊社社屋までご足労いただきました。

 手前、パソコンがついている机が私の席。ここで原稿を書いたり校正したり、もちろんレースも見ます。インターネットの発達で、本当に便利になりました。

 

 「6月が終わると、中央競馬は7月から福島開催です」と説明すると、

 

 「夏場は“地方競馬”かな?」とN先輩。

 

 福島競馬や新潟競馬のことを“地方競馬”と思っている人、多いですね。確かに東京や中山のような首都圏の開催ではありませんし、我々も“夏のローカル”と呼んでいます。

 

 しかし、地方競馬(公営競馬)とは、地方自治体や地方公共団体で構成される事務組合(大井競馬なら特別区競馬組合)が施行する競馬。日本中央競馬会(JRA)が施行する中央競馬とは別組織です。福島競馬場や新潟競馬場は、地方都市が所在地でもあくまで中央競馬の競馬場。地方競馬といえば、南関東公営なら大井・川崎・船橋・浦和です。

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 私は入社以来、一貫して中央競馬が担当。よって、記事を書くのは宝塚記念が載っている中央版ですが、地方競馬に大変愛着を感じています(写真は帝王賞当日版)。理由は、大井競馬場(東京都品川区勝島2-1-2)が編集部から近いことも大きいでしょう。会社で仕事をしていても、思い立ったら同じ品川区内の競馬場へ。大崎→品川→立会川でJRと京急を乗り継いで十分便利ですが、タクシーで2000円弱。若手にせがまれると(?)、ついつい利用して連れて行きます。

 

 美浦や栗東から、レースの時だけ馬を運んでくる東京や中山と違って、厩舎地区が競馬場に隣接しているのも特長。交通至便で、人馬ともじっくり取材することができる施設が、会社のそばにあるわけです。

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 その大井競馬(愛称は東京シティ競馬)に、海原メディア会の諸先輩方が来場されるとのこと。8月13日(水)、メインは黒潮盃。当然、ホスト役……と思いきや、私より来賓席に詳しいM後輩(日本文芸社)がいるので安心、安心。来賓席『プラネットルーム』を拠点に、じっくり取材していただきたいと思います。

 

 私にとっては、記者席や厩舎地区が本来の居場所。大井競馬場は7月から改修工事に入り、6月開催を最後に現在の記者席があるスタンドは取り壊しになります。6月27日(金)、千秋楽に顔を出したところ、各社の記者が引っ越しの準備に追われていました。

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 弊社の大井担当トラックマン(競馬取材記者の通称)、市川俊吾もその一人。ずいぶんいい加減な格好をしていますが、これで結構頼りになる男。普段はもちろん、8月13日は予想をバンバン当ててもらわないと困りますね。 


田所 直喜(たどころ・なおき)

1964年(昭和39年)6月10日生まれ。東京都国分寺市出身、妻と2人暮らしで今も在住。

海城学園は高校の3年間で、1983年(昭和58年)卒業。1年の担任は長島先生。2~3年は文Bコースで河原先生。

東京学芸大学教育学部国語科を卒業と同時に、1989年(平成元年)、(株)日刊競馬新聞社入社。以来、中央競馬担当の編集記者として活動。

現在、編集部中央課課長、採用担当責任者。