Vol.5 代替競馬

 2月は大雪が関東圏を2回直撃。交通網が乱れただけではなく、生活自体に影響が出ました。特に山梨県の被害は甚大。我々の世界も、競馬が中止になるやら調教が変則になるやらで大混乱でしたが、本当に苦労した方々と比べれば文句を言ってはいけないレベルでしょう。

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 14日(金)は午前中に15日(土)の新聞を印刷した後、午後に土曜東京競馬の中止が決定。15日朝は大雪で交通マヒの中、弊社社員は各部署とも会社(品川区大崎)にたどり着いて、16日(日)分の新聞印刷までこぎつけましたが、午前11時すぎに日曜東京競馬の取りやめが発表されました。

 営業はもちろん、取材現場や編集部も錯綜する情報に振り回された挙句、土日とも東京開催がなくなって拍子抜け。結局、平日の17日(月)と18日(火)にレースが行われることになりました。関西の京都競馬と小倉競馬は日程通りだったので、15日から18日まで、4日間連続の中央競馬(JRA=日本中央競馬会の主催)。

 しかも17日の月曜日は、やはり雪の影響で中止なった9日(日)の代替競馬がすでに決まっていて、15日の代替は18日(火)、16日の代替は24日(月)。事情を知らない人にとっては、とても分かりにくい開催日程。それに伴って地方競馬の日程や発走時刻の変更などもあって、結構バタバタしました。

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 代替競馬は、大きく分けて2種類あります。


①出馬表の内容を変更しないもの。
②再投票で枠順やメンバーが変わるもの。

 15日の代替(18日)は㈰で、15日版の新聞をそのまま使えました(京都と小倉を除いた当日版も作りましたが)。9日の代替(17日)、16日の代替(24日)は㈪に該当します。24日(月)は本来なかった障害レースが組み込まれるなど、若干の番組変更もあって、ともに当初とメンバーが違う新聞になりました。

 ①のケースである15日の代替(18日)のレーシングプログラム(JRA発行)には当然、“内容は変更ありません”と記載されました。しかし、前日時点で除雪が追いつかずに障害レースは中止。ここまではよくある話ですが、今回はプログラム印刷後に芝2000mを1800mにする距離短縮が発表されました。除雪ゾーンを少なくして開催するための苦肉の措置。異常事態でした。

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 馬券を買う側としては、馬場状態と共に出走馬の体調も気になるところ。実際、道路で立ち往生して馬運車に乗っている時間が異常に長くなる馬が出るなど、水面下のアクシデントは少なくありませんでした。

 東京競馬場の入場人員は、17日(月)が1万5千人弱、18日(火)は1万2千人弱。普段の土日の半分以下の数字ですが、こんな状況下でも競馬場やウインズ(場外馬券発売所)に来場されたお客様……。我々関係業者は感謝しきりです。


田所 直喜(たどころ・なおき)

1964年(昭和39年)6月10日生まれ。東京都国分寺市出身、妻と2人暮らしで今も在住。

海城学園は高校の3年間で、1983年(昭和58年)卒業。1年の担任は長島先生。2~3年は文Bコースで河原先生。

東京学芸大学教育学部国語科を卒業と同時に、1989年(平成元年)、(株)日刊競馬新聞社入社。以来、中央競馬担当の編集記者として活動。

現在、編集部中央課課長、採用担当責任者。